子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得ができるようになります!!
※こちらの情報は2020年10月時点のものです
育児や介護を行う労働者が子の看護休暇や介護休暇を柔軟に取得できるように、令和3年1月1日より時間単位で取得できるようになります。
ここでは、その概要について解説します。
改正前
子の看護休暇
小学校就学前の子を養育する労働者がその事業主に申し出ることにより、1年度において5日(子が2人以上の場合は10日)を限度として、負傷し、もしくは疾病にかかった子の世話または疾病の予防を図るために必要な世話(健康診断・予防接種など)を行うための休暇のことです。
※育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下、育児・介護休業法という)16条の2
介護休暇
要介護状態にある対象家族の介護・世話(対象家族の通院等の付添など)を行う労働者がその事業主に申し出ることにより、1年度において5日(対象家族が2人以上の場合は10日)を限度として、与えられる休暇のことです。
※育児・介護休業法16条の5
子の看護休暇・介護休暇は、1日単位または半日単位(所定労働時間が4時間以下の労働者は除く)で取得することができますが、労使協定を締結することにより、一定の労働者については申し出を拒むことができます。
改正後
今回の改正により、育児や介護を行う労働者が子の看護休暇や介護休暇を柔軟に取得することができるよう、改正前は1日単位または半日単位での取得が認められていたものが、1日単位または時間単位で取得できるようになりました。併せて、改正前に半日単位での取得が認められなかった「1日の所定労働時間が4時間以下の労働者」についても、取得ができるようになりました。
時間単位の「時間」とは、1時間の整数倍の時間をいい、事業主に申し出ることにより、労働者の希望する時間数で取得できますが、事業主としては始業時刻からあるいは、終業時刻まで連続して取得させればよく、就業時間の途中に1時間取得するなどのいわゆる「中抜け」までを認める必要はありません。(なお、会社の制度として「中抜け」を設けることは問題ありません。)
実務上の注意点
1日の所定労働時間が7時間30分などのように、1時間未満の端数がある場合
時間単位で子の看護休暇・介護休暇を取得する場合は、休暇を取得した時間数の合計が1日の所定労働時間数に相当する時間数になるごとに「1日分」の休暇を取得したものとして扱う必要があるため、所定労働時間に1時間未満の端数がある場合は、端数を時間単位に切り上げる必要があります。
※育児介護休業法施行規則34条2項他
そのため所定労働時間が7時間30分の場合、「30分」を切り上げて、8時間分の休暇取得で「1日分」と扱う必要があります。
改正前と比べて労働者にとって不利益な内容とならないように
「休暇」に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項となっているため、就業規則等で子の看護休暇・介護休暇について記載をされているかと思います。そのため今回の改正事項を盛り込んだ就業規則等へと改定する必要がありますが、改正前と比べて労働者にとって不利益な内容とならないよう注意する必要があります。
さいごに
時間単位での休暇取得制度を導入し、実際に休暇を取得した労働者が出たなどの要件を満たした場合は助成金が支給されますので、是非ともご活用ください。