【Q&A】労働基準法 適用除外者について
※こちらの情報は2021年4月時点のものです
Q.相談内容
部長には時間外手当を支払っておりませんが、労働基準法上、問題はないでしょうか。
A.回答
労働基準法第41条より、管理監督者、機密の事務を取り扱う者、監視・断続的労働に従事する者に該当する場合は、労働時間、休憩、休日は適用されません。それぞれ下記に当てはまる労働者が該当します。
①管理監督者
本人の職務内容、責任と権限、勤務態様、待遇の実態により判断されます。社内での立場が管理職であったとしても、次の条件に当てはまらない場合は、一般の労働者と同じく時間外労働手当や休日出勤手当の対象となります。
- 経営者と一体的な立場で仕事をしているか
管理監督、指揮命令の一定の権限を委ねられ、経営者に代わり採用や異動、労務管理等を任されている、経営へ参画している等 - 出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない
出退勤の時間は自らの裁量に任されており、遅刻や早退をしても控除対象にない等 - その地位にふさわしい待遇がなされている等
時間外労働手当が支払われない代わりに「責任手当」や「特別手当」といった、その責任に見合う手当が支払われている(固定残業代としての支払いではない)等
②機密の事務を取り扱う者
通達(昭和22年9月13日発基第17号)より、「秘書その他職務が経営者又は監督若しくは管理の地位にある者の活動と密接に結びついており、切り離したりできないものであって、出社退社等についての厳格な制限を受けない者」を指します。管理監督者と同様、職務内容・責任、処遇、勤務態様等の実態に即して判断されます。
③監視・断続的業務に従事する者
定期的巡回、臨時・緊急の書類受取、電話引継、非常事態に備えて待機等の業務に従事し、下記の基準に基づいて労働基準監督署の許可を受けた者を指します。
- 「監視労働に従事する者」
一定部署にあって監視するのを本来の業務とし、かつ常態として身体または精神的緊張が少ない業務に従事する者 - 「断続的労働に従事する者」
実作業が間欠的に行われており、かつ手待時間が多い業務に従事する者
上記①から③に該当する者は、労働時間、休憩、休日の適用はありませんが、深夜労働、年次有給休暇は適用となりますので、ご注意ください。
【参考URL|厚生労働省東京労働局ホームページ】
■しっかりマスター労働基準法-管理監督者編–
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501863.pdf