【Q&A】休日と休業
※こちらの情報は2021年11月時点のものです
Q.相談内容
現場や屋外業務に従事する従業員について、「雨の日」を休日とすることはできますか。その場合、手当の支払い等は必要ですか。
A.回答
休日はあらかじめ特定し、休日の振替で対応することが望ましいです。つまり、本来の休日(日曜日等)は特定しておいたうえで、事前に天気予報を確認し、労働日が雨予報であれば、前日までに通知することで、その雨予報の日に休日を振り替え、代わりに本来の休日に出勤してもらうこととする扱いをいいます。また、休日の振替ではなく、そもそも「雨の日を休日とする」と設定し、前日までに通知をすることで、休日の定めとすることも可能です。なお、当日になってから休みの通知をする場合には、休業手当の支払いが必要となります。
1.基本的な考え方
まず、労働基準法上の「休日」とは、労働義務が設定されていない日のことをいいます。これに対し「労働日」とは、労働義務が設定されている日をいいます。この労働日に従業員を就労させない場合には、休日にはあたらず「休業」となります。そして、その休業が使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、「休業手当」の支払い義務が発生します。
つまり、ある労働日について、当日に雨が降っていることを確認し、使用者から「今日は雨だから休みにします。」という通知が行われる場合、使用者の責に帰すべき休業として休業手当の支払いが必要となります。
2.休日の振替を行う場合
通達より「休日はなるべく一定日に与え、雨天の場合には休日をその日に変更する旨を規定するよう指導されたい。」とされています。つまり、毎週日曜日を休日として定めている場合には、雨の日を振替休日とし、同一週内の日曜日に代わりに出勤することで対応するという方法が望ましいとされています。
ただし、同一週内での休日の振替ができない場合に、週法定労働時間を超えてしまったり、法定休日出勤が発生してしまったりと、意図しない割増賃金の発生が考えられますので、その点ご配慮頂く必要がございます。
3.「雨の日」を休日として設定する場合
労働基準法では「毎週1日以上、または、4週4日以上の休日を与えなければならない」旨の規制がされていますが、「休日の特定」までは求められておりません。そして、労働基準法上、休日を付与したといえるためには、暦日(午前0時から午後12時までの24時間)の休みが確保されなければならないとされています。
そのため、遅くともその前日までに通知がなされた場合のみが、労働基準法上の休日になり得るのであって、それ以外は休業となると考えられます。つまり、「雨の日を休日とする。ただし、前日までに通知した場合に限る。」と就業規則等に定めることで、雨の日を休日とする運用を行う事が可能となると考えられます。
(労働基準法第35条、労働基準法第26条、昭23.4.26基発651)