地域団体商標制度について
※こちらの情報は2022年5月時点のものです
早いもので2022年も5月に入ります。GW期間となりますが、この数年は感染症の影響もあり、連休の過ごし方も以前とは全く異なるものとなりました。過ごし易い季節ですので、キャンプやアウトドアにもってこいの季節ですね。梅雨に入る前の貴重な期間です。あえて遠出しなくても、近所の大きい公園などでも十分にピクニック気分を味わうことができることでしょう。さらには、自宅の庭やベランダでもいいかもしれませんね。ついでにお掃除もすると気持ちがいいことでしょう(笑)。
海外渡航の制限もあり、国内旅行機運が高まる一方で、国内旅行の素晴らしさが再発見されたという記事も多くみられます。国内旅行といえば、ご当地グルメですね!
今回はご当地ブランドに関する「地域団体商標制度」についてのお話です。
1.地域団体商標制度
2006年4月1日から導入されている「地域の産品等」について使用される商標を保護する制度です。「地域ブランド」として用いられることが多い地域の名称及び商品(サービス)の名称等からなる文字商標について、登録要件を緩和する制度です。
2.どんな商標
「地域の名称」と「商品(サービス)名」等の組み合わせからなる商標です。
例えば、比較的登録時期が新しいものとして、「東京二八そば」(第6502026号)、「ぼうぜがに」(第6504512号)、「高松ぶどう」(第6505700号)があります。
この他にも、地域ブランドとして数多くの登録があります。
3.登録するための4つのポイント
特許庁では以下の4つのポイントをあげています。なんとなくイメージがつきますでしょうか?例えば、〇〇農業協同組合が、地域の名産品○○ブドウについて、組合員に使用してもらうことを目的とするものであります。組合員のみんなが使用できるようにすることで、第三者の使用を阻止し、ブランド価値を維持することが可能となります。ただし、「その4」に記載されるように“ある程度有名”ということが要求されますので、全く新しいブランドについては登録が難しいということになります。
【その1】地域に根ざした団体の出願であること
- 事業協同組合等の特別の法律により設立された組合
[例]農業協同組合、漁業協同組合等 - 商工会
- 商工会議所
- NPO法人
- これらに相当する外国の法人
【その2】団体の構成員に使用させる商標であること
例えば、組合であれば組合員に使用させる 等
【その3】地域の名称と商品(サービス)に関連性があること
例えば、「地域の名称」が商品の生産地に該当する 等
【その4】一定の地理的範囲の需要者間である程度有名であること《特に重要!》
出願団体又はその構成員の使用により、一定の地理的範囲の需要者(最終消費者又は取引事業者)に知られていることが客観的事実(販売数量、新聞報道など)によって証明できることが必要です。
4.メリット
多くのメリットはありますが、「団体の組織強化、ブランドに対する自負の形成」という点が大きいと思われます。
一般に、「地域名+商品名」の商標は識別力が認められず登録することができませんが、地域団体商標制度を活用することで、登録が認められることがあります。組合員で協力し、地域団体商標として登録することになれば、各組合員が積極的に使用することで、より一層ブランド価値が向上することでしょう。
その地域のチームでブランドを作り上げるというイメージですね。
みんなで力をあわせて地域を盛り上げることを後押しするとてもよい制度ですので、ぜひ活用してください。