振り込め詐欺救済法について

著者:【弁護士】吉川 法生

※こちらの情報は2024年3月時点のものです

ロマンス詐欺、オレオレ詐欺、架空請求詐欺、還付金詐欺、融資保証金詐欺など、振り込め詐欺は後を絶ちません。
こうした詐欺の被害救済のため、「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」(以下、「振り込め詐欺救済法」といいます)が制定されています。この法律は、預金口座等への振り込みを利用して行われた詐欺等の犯罪行為により被害を受けた方に対する被害回復分配金の支払のため、預金等に係る債権の消滅手続及び被害回復分配金の支払手続等を定め、犯罪行為により被害を受けた方の財産的被害の回復に資することを目的としています。被害にあわれた方は、この法律に定める手続を経て、失権した振込口座の残高を上限として、被害回復分配金の支払を受ける方法により、被害回復を受けることができます。要は、詐欺に利用された口座の権利を失わせ、そこから分配という形で被害の回復を図るというものです。
今回は、その手続について説明いたします。

手続の流れは、次のようになっています。

  1. 金融機関による、犯罪利用の疑いがあると認める預金口座等の約款に基づく取引の停止等の措置(口座凍結)
  2. 金融機関による、犯罪利用預金口座等と疑うに足りる相当な理由があることの認定
  3. 預金保険機構による失権のための債権消滅手続を開始することの公告
  4. 一定期間(60日以上の期間)の経過により失権(名義人の預金等債権消滅)
  5. 預金保険機構による分配金支払のための公告及び金融機関による被害者からの支払申請受付(30日以上の申請期間)
  6. 支払請求権の確定(金融機関による、被害者から提出された資料等による被害者・被害額・支払額の認定)
  7. ⑥で認定された被害者への支払(金融機関より支払)
  8. 支払手続終了の公告
  9. 残余財産の活用

①ですが、次の事情により、口座凍結となります。

  1. 捜査機関、弁護士会、金融庁および消費生活センターなど公的機関ならびに弁護士、認定司法書士から通報があった場合
  2. 被害者から被害の申し出があり、振込が行われたことが確認でき、他の取引の状況や口座名義人との連絡状況から、直ちに口座凍結行う必要がある場合
  3. 口座が振り込め詐欺等の犯罪に利用されているとの疑いがある、または口座が振り込め詐欺等の犯罪に利用される可能性があるとの情報提供があり、以下のいずれかに該当するとき。
    ●名義人に電話で連絡し、名義人本人から口座を貸与・売却した、紛失した、口座開設の覚えがないとの連絡が取れた場合
    ●複数回・異なる時間帯に名義人に電話で連絡したが、連絡が取れなかった場合
    ●一定期間内に通常の生活口座取引と異なる入出金、または過去の履歴と比較すると異常な入出金が発生している場合
  4. 本人確認書類の偽造・変造が発覚した場合

また、③の公告とは、政府・公共団体が、ある事項を広く一般に知らせることなどをいいます。
日本では、官報・新聞への掲載や掲示による文書、又はインターネットによる電磁的方法で実施されています。振り込め詐欺救済法においては、インターネットという方法により、預金保険機構のホームページ上、公告が実施されています。
以上の手続を経て、救済が図られることになります。

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