日本に出願される特許出願の傾向

※こちらの情報は2024年4月時点のものです
年明け、石川県能登地方において地震による甚大な被害が発生しました。この地震により被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災地への支援がなかなか進まない様子が毎日報道されています。多くの箇所で発生している道路の寸断が支援活動を困難にしているようです。どうか復旧活動が進むこと、そして、被災地域の1日も早い復興をお祈り致します。
2月号では、日本の特許出願の件数と他の国の件数とを比較し、日本の特許出願の件数は、世界の中で減少傾向にあることを説明しました。今回は国内に目を向け、「日本に出願される特許出願の傾向」を見てみます。
内国人・外国人別の割合
2022年の日本の特許出願件数は、289,530件です。2000年代前半に40万件を超えていた出願件数は大きく減少したことになりますが、その内訳はどうでしょうか。内国人・外国人別では、内国人による出願が218,813件、外国人による出願が70,717件です。日本の特許出願の1/4程度は外国人による出願が占めていることが分かります。外国人による出願件数は、日本の市場の魅力を反映していると言えます。日本の市場での製品販売を考える外国の会社は、日本での特許取得を検討するからです。人口減少により市場規模が縮小する日本において、市場の活性化が必要と考えられます。逆に、日本の企業は、米国、中国に非常に多数の特許出願をしています。日本から米国や中国に出願する件数に比べると、その逆は非常に少ないのが現状です。
規模別の割合
出願人の種別としては、法人による出願が283,545件で98%を占めています。個人による出願は5,966件に留まっています。法人による出願が圧倒的な数ですが、電気メーカー、自動車メーカーなどの大企業は、1企業で多数の出願を行いますので、このような結果として現れることになります。このように出願の件数では法人が圧倒的となりますが、アイデアを創出することは個人でも可能です。しかし、特許出願に係る費用は安くはないため、個人が出願することのハードルは高いと考えられます。特許庁は、中小企業や個人の出願を支援するための補助金制度を設けています。なるべく小規模事業者や個人の発明家の負担を軽減させることで、アイデアが埋もれてしまうことを防止する施策がさらに必要なのかもしれません。
都道府県別の割合
都道府県別の内訳では、東京都が110,747件で圧倒的な数となっています。大企業の本社の多くが東京に集中していることを考えると当然の結果と言えます。2番目に多いのが大阪府の26,174件、3番目が愛知県の25,353件です。それに続くのは、神奈川県(12,695件)、京都府(10,219件)、兵庫県(4,758件)が続きます。日本の特許出願の大半は3大都市圏に偏っています。
日本の産業競争力を高めるために特許出願件数の減少を食い止めることが必要です。一方で、日本の市場が活性化し、日本が特許の権利化を目指す国として選ばれることも大事です。観光においては、政府の施策が功を奏し、インバウンドの大幅な増加に成功しました。日本の市場価値を向上させることは簡単なことではありませんが、非常に重要な課題です。

■サービスのご紹介
企業の総合病院🄬シーエーシーグループ/TSCでは、経営者様のあらゆるニーズに各分野の専門家がワンストップサービスでお応えします。
人事・労務・経理等のアウトソーシングを是非ご利用ください。
■企業の総合病院🄬シーエーシーグループ
https://www.cacgr.co.jp/