【Q&A】標準報酬月額の算定の特例
※こちらの情報は2019年6月時点のものです
Q.相談内容
毎年4月〜6月が繁忙期で算定基礎届による定時決定の社会保険料が高くなるんですが、何かいい方法はあるのでしょうか。
A.回答
毎年4月〜6月の3ヵ月間がちょうど繁忙期にあたり、残業手当が多く発生するなど一時的に標準報酬月額が増減する場合は、平成23年より新たに設けられた社会保険の標準報酬月額の算定の特例により年間報酬の平均で算定できる可能性があります。
通常であれば4月〜6月に支払った報酬の平均額により標準報酬月額を決定しますが、要件に該当する場合に限り、届出により社会保険の標準報酬月額の算定の特例を受けることができます。
「標準報酬月額の算定の特例」とは、4月〜6月の3ヵ月間ではなく年間の平均給与月額をもって算定をするという方法です。
具体的には、毎年4月〜6月の3ヵ月間が繁忙期にあたり、残業手当が多く発生するような事業所は、算定基礎届で求めた標準報酬月額が高くなってしまうため、1年を通じて高額の社会保険料を負担することになります。また、反対に毎年4月〜6月の3ヵ月間が閑散期にあたる事業所についても、通常の算定のしかたでは不適当と言えます。こういった場合に算定の特例を利用すると、社会保険料を抑えることができます。
算定の特例を実施するためには、下記の要件が必要になります。
- 前年7月から当年6月までに支払った報酬を平均して算出した標準報酬月額が、本年4月から6月に支払った報酬を平均して算出した標準報酬月額に比べ2等級以上相違すること。
- 業務の性質上、例年、1.のような違いが発生することが見込まれること。
- 被保険者本人が同意していること。
届出には報酬月額算定基礎届の提出の際に、年間報酬の平均で算定することの申立書と保険者算定申立、標準報酬月額の比較、被保険者の同意等の書類の提出が必要です。
4月〜6月に時間外労働が多い事業所では、特例による算定基礎の対象とならないかチェックしましょう。