著作権に関する注意すべきニュース
※こちらの情報は2022年2月時点のものです
2021年11月以降、日本におけるコロナ感染者数が非常に少なくなっています。2021年の年末時点では全国の感染者数は200人程度であり、第3波や第4波の収束時には見られなかった減少傾向です。ワクチンの影響が出ているのでしょうか。このまま落ち着いてくれることを切に願います。コロナ感染者数の減少に伴い、様々なエンターテインメントも元の姿を取り戻しつつあります。明るい兆しが見える世の中ですが、今回は著作権に関する注意すべきニュースを2つ紹介します。
ファスト映画続報
以前ファスト映画について紹介しました。簡単におさらいします。ファスト映画は、映画のあらすじが分かるように、全編を編集した上で、ナレーションや字幕を付けたものです。ファスト映画は10分程度に短くまとめられてYouTubeなどにアップロードされています。このような行為は、映画の著作物の複製権、翻案権等を侵害するものとして、ファスト映画をYouTubeにアップロードしていた3人が2021年6月に宮城県警に逮捕されたという事件でした。
そして、2021年11月16日に、仙台地裁がこの逮捕された3人に有罪判決を下しました。主犯格に対しては、懲役2年、罰金200万円、執行猶予4年、あとの2人も、懲役1年6か月、罰金それぞれ100万円と50万円、執行猶予3年と厳しい判決です。裁判長は、ファスト映画は、映画の収益構造を破壊するものであり、厳しい非難に値すると述べています。
この判決から、裁判所が著作権侵害に対して強い態度を示したという印象を受けます。この傾向は今後さらに強くなるように感じます。ただ、ファスト映画は他人に損害をもたらす明らかに悪意のある行為であって、一般の創作活動が厳しく取り締まられる世の中になったと心配することはないでしょう。
鬼滅の刃
絶大な人気を誇るアニメ「鬼滅の刃」に関するニュースです。東京都の女性が、鬼滅の刃のキャラクターを無断で使用したケーキを販売したとして、著作権法違反の疑いで東京地検に送致されました。この女性は、購入者から希望するデザインの画像データを受け取り、ケーキの上にキャラクターのデザインをデコレーションして販売していました。
ひと昔前であれば、あちこちのケーキ屋さんで同じようなことをしていたかもしれません。大手チェーンの洋菓子屋がこのようなことをすれば以前からも問題になっていたでしょうが、個人のケーキ屋さんが無断でキャラクターを使用しても、著作権者もそのような行為を発見することも難しく、事件になることはあまりなかったと思われます。今は、個人の店舗であっても著作権違反については充分に注意しておかなければなりません。そのためには著作権について基本的な知識は身に付けておく必要があります。
まとめ
せっかくコロナが収束して、事業活動が再開できるようになっても、著作権違反で訴えられては、また大きく後退です。他人が創作したキャラクター、デザイン、映像等を利用するときは、充分な注意が必要です。