商標法改正情報:コンセント制度等

※こちらの情報は2024年3月時点のものです
今年も春が近づいてきました。桜の季節がやってきます。新学期、就職、転職など、出会いと別れの季節とも言えますね。皆様の新たなチャレンジを応援いたします。
さて今回は、令和6年4月1日から施行されます新しい商標の制度について紹介いたします。
1.『不正競争防止法等の一部を改正する法律(令和5年6月14日法律第51号)』
令和5年6月14日に法律第51号として公布された法律が令和6年4月1日より施行されます。
概要といたしましては、主に以下の内容となります。
『知的財産の分野におけるデジタル化や国際化の更なる進展などの環境変化を踏まえ、スタートアップ・中小企業等による知的財産を活用した新規事業展開を後押しするなど、時代の要請に対応した知的財産制度の見直しが必要。』
- デジタル化に伴う事業活動の多様化を踏まえたブランド・デザイン等の保護強化
- コロナ禍・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備
- 国際的な事業展開に関する制度整備の3つを柱に、不正競争防止法、商標法、意匠法、特許法、実用新案法、工業所有権特例法の改正を行う。
(引用:https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/hokaisei/sangyozaisan/document/fuseikyousou_2306/01.pdf)
『登録可能な商標の拡充:コンセント制度』について
従来は、『他人が既に登録している商標と類似する商標は登録できない』とされておりました。例えば、A社が商品Pについて商標Mの商標権を取得している場合に、後から、B社が類似の商品Qについて商標Mを出願した場合には、B社の商標Mの登録が認められませんでした。
改正後は、A社の同意があり、出所混同のおそれがない場合には登録が可能となりました。したがって、後から出願するB社にとってはA社の同意を取ることにより、B社の権利として商標権を取得することができるようになり、利便性が向上することになります。
このように『同意』があれば登録を認めるという制度は、外国では『コンセント制度』と呼ばれており、すでに存在しておりましたが、日本でもこの制度を導入する流れとなりました。
実務的にはいろいろと課題がでてくることが予想されますが、ユーザーにとっては活用の幅が広がるといった面で歓迎されるべきものと考えます。
『登録可能な商標の拡充:氏名を含む商標』について
従来は、他人の氏名を含む商標については、他人の承諾がなければ登録が認められませんでした。
改正後は、自己の名前で事業活動を行う者等がその名前を商標として利用できるよう、氏名を含む商標も、『一定の場合』には、他人の承諾なく登録可能になります。この『一定の場合』ですが、『当該分野において需要者の間に広く認識されている氏名に限る。』ということになりますので、ある程度その分野で有名な氏名であれば、その氏名がよくある名前であっても登録が認められるようになります。
例えば、洋服デザイナーの名前や、ドラッグストアの名前などが思いつきますが、改正前では、同じ名前の他人に同意を取る必要があり、とても大変なものでしたが、先にその分野で有名になっていれば、他人の同意を得ることなく登録が認められることが可能になります。
今回の改正により、名前の商標が多発する可能性もありますが、あくまでも『有名』であることが条件となりますので、どんな名前でもいいということにはなりません。
まずは有名になって実績を作ってから登録ということになりますね。個人名のブランド化が図られますので、例えば、著名なインフルエンサーはこぞって出願をするかもしれませんね。
『名前が商標登録されました!!』といったサムネイル画像が見られそうですね(笑)。
4.まとめ
今回は主に商標の改正についてご説明をいたしました。キーワードは、他人の『同意』と、『氏名』です。何かピンときましたら今回のお話を思い出してくださいね。

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