【Q&A】休憩時間の考え方について
※こちらの情報は2020年10月時点のものです
Q.相談内容
休憩時間中、クレーム対応・急な来客対応等の緊急事態があった場合に備え、事務所で待機しながら交替で休憩時間を過ごしていますが、このような場合も休憩を与えたことになるのでしょうか。
A.回答
使用者は、労働者に対して、労働時間が
- 6時間を超え8時間以内の場合は少なくとも45分
- 8時間を超える場合は少なくとも1時間
の休憩時間を与えないといけません。
休憩については、労働基準法で下記3つの原則があります。
1.途中付与の原則
休憩時間とは、労働と労働の間に与える必要があると定義されております。
業務開始前及び業務終了後にまとめて与えることはできません。
2.自由利用の原則
休憩時間は、権利として労働から離れることを保障された時間であると定義されております。
ここでいう、権利として労働から離れることを保障されているかは、労働者がその時間を自由に利用できるかどうかという観点から判断するとされています。
ご質問のケース
使用者の指揮命令により、クレーム対応・急な来客対応等の緊急事態があった際に業務を行うように指示された状態での休憩で、手待ち時間に該当しますので、自由利用が保障されているとはいえず、その休憩時間は全て労働時間に該当します。
※手待ち時間とは、使用者の指示があれば直ちに作業に従事しなければならない状態にある時間を指します。
3.一斉付与の原則
休憩時間は、事業場における全労働者に一斉に与えるのが原則です。
事業場の過半数で組織された労働組合、そうした組合がない場合は過半数代表者との書面による労使協定において予め一斉に休憩を与えない旨や該当する者の範囲などについて締結すれば、例外が認められ個別に休憩を与えることが可能となります。
また、
- 運輸交通業
- 商業
- 金融・広告業
- 映画・演劇業
- 通信業
- 保健衛生業
- 接客娯楽業官公署
の事業には、一斉付与の原則自体が適用されませんので労使協定の締結は不要です。