【Q&A】年次有給休暇の計画的付与制度について
※こちらの情報は2022年8月時点のものです
Q.相談内容
年次有給休暇を年5日労働者に取得させることが使用者の義務となっていますが、お盆や年末年始の飛び石連休の際に、年次有給休暇を取得させ大型連休としたい場合の方法を教えてください。
A.回答
年次有給休暇の計画的付与制度(計画年休)を導入することで対応可能です。導入方法について、以下ご説明させて頂きます。
【年次有給休暇の計画的付与制度及び導入方法】
付与された年次有給休暇のうち、5日を超える分については、労働者の過半数を代表する者との間で書面による協定の締結を行えば、(この協定は労働基準監督署に届け出る必要はありません。)計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度のことをいいます。従業員数10名以上の会社であれば、就業規則に計画的付与を行う旨を定めることが必要です。
労使協定で定める項目は「①計画的付与の対象者②対象となる年次有給休暇の日数③計画的付与の具体的な方法④年次有給休暇の付与日数が少ない者の扱い⑤計画付与日の変更等」の5つとなります。
①付与日数のうち5日を除いた残りの日数が計画的付与の対象とできます。
計画年休を導入する場合であっても、年次有給休暇の付与日数のうち5日は個人が自由に取得できる日数として必ず残しておかなければなりません。それは、従業員が病気その他の個人的事由による取得ができるよう指定した時季に与えられる日数を留保しておく必要があるためです。例えば、年次有給休暇の付与日数が10日の従業員は5日、20日の従業員は15日まで計画的付与の対象とすることができます。なお、前年度取得されずに次年度に繰り越された日数がある場合は、繰り越された年次有給休暇を含めて5日を超える部分を計画的付与の対象とすることができます。注意点として、計画年休を付与する時季になって年次有給休暇が足りない(無い)労働者が生じないように、会社にて労働者の年次有給休暇の管理を徹底して頂くことが必要です。
②計画年休のさまざまな活用方法
- 「企業もしくは事業場全体の休業による一斉付与方式」は全労働者に対し同一の日に付与する方法を言います。(例:製造業など、操業を停止させ全労働者を休ませることができる事業場)
- 「班・グループ別の交替制付与方式」は班・グループ別に交替で付与する方法を言います。(例:流通・サービス業など、定休日を増やすことが難しい企業・事業場)
- 「年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式」は個人別に付与する方法を言います。(例:夏季・年末年始・GW・誕生日など労働者の個人的な記念日を優先的に充てるケース)
TSCでは、就業規則及び労使協定の作成や相談等を承っておりますので、是非ご相談下さいませ。
【参考URL | 東京労働局ホームページ】
■年5日の年次有給休暇の確実な取得-わかりやすい解説
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501911.pdf