【Q&A】年次有給休暇Q&A特集②
※こちらの情報は2023年4月時点のものです
最近、とくに「年次有給休暇」に関するご相談を多く頂いております為、先月号より「年次有給休暇Q&A特集」として、年次有給休暇にまつわる疑問をQ&A形式にて解説させていただいております。
Q.相談内容③
年次有給休暇を買い上げすることは出来ますか。
A.回答③
年次有給休暇の事前の買い上げは原則禁止とされています。労働者の心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するという年次有給休暇の趣旨から、金銭を与えるだけでは足りず、現実に休みを与える必要がございます。しかし、以下のケースに該当する場合は買い上げが可能となります。
- 退職により権利が消滅する年次有給休暇
- 2年の時効により消滅する年次有給休暇
- 法定を上回る日数付与している場合、その上回って付与している年次有給休暇
上記のケースに該当し、買い上げをした場合の支給額につきましては法律上での決まりはない為、会社で定めた金額にて、例えば1日につき一律1,000円とすることも可能でございます。
Q.相談内容④
曜日によって所定労働時間が異なる労働者が年次有給休暇を取得した場合の賃金はどのように計算しますか。
A.回答④
曜日や日によって、労働時間が異なる場合は以下のいずれかの方法にて計算をします。また、どの計算方法で支払うかをその都度変えることは認められておらず、就業規則や契約書にて定めた方法にて支払う必要があります。
- 平均賃金で支払う
年次有給休暇を取得した日から遡って直近3か月に支払った賃金の総額を平均した金額を支払います。実際の勤務実態に合った正確な賃金を計算することが可能となります。
しかし、取得する月ごとに直近の3か月は変わる為、都度計算が必要です。 - 所定労働時間労働した場合の通常の賃金を支払う
雇用契約書等で定められた勤務時間分の賃金は、本来支払われる通常の賃金となります。
例えば、月水金は7時間、火木は5時間の雇用契約の場合、年次有給休暇を取得した日が月水金であれば7時間分の賃金、火木であれば5時間分の賃金を支払います。 - 健康保険法の標準日額で支払う
健康保険料を決める際の「標準報酬月額」を30で割った金額を支払う方法となります。
この方法は、労働者に不利益になる可能性がある為、予め労使協定を締結する必要があります(この労使協定は監督署への届出は不要です)。
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