【Q&A】代休取得
※こちらの情報は2023年8月時点のものです
Q.相談内容
代休を取得せずに溜まってしまっている社員に対して強制的に取得させることは問題ありますか。
A.回答
就業規則等にて代休の制度を定め、会社の指示の下に代休を取得させることは問題ありません。
①代休とは
代休とは、休日労働を行わせた上で、後から休日を取得させるものとなります。労働基準法には代休に関する定めがない為、代休を付与するかどうかは会社の自由となります。代休制度を導入する場合は、就業規則にて代休に関する定めを明記することが必要です。
②代休を強制的に取得させることはできるか
代休を取得するかどうかは、就業規則等の定めにより、労働者が裁量により判断出来る場合と会社の指示により付与出来る場合とがあり、会社が付与すると定めている場合は労働者の同意がなくても強制的に代休を取得させることが可能となります。
それに対して、労働者が裁量によって代休を取得出来る旨を就業規則等に定めている場合は、会社が強制的に代休を取得させることは違法となります。
労働基準法に定めのない制度となりますので、会社が労働者に対して代休取得を強制出来るかどうかは、就業規則などの規定に照らして判断をすることが必要となります。
③代休取得時の賃金について
休日に労働をし、就業規則に基づいて労働者が代休を取得した場合でも、休日労働をしたことには変わりない為、割増賃金を支払う必要があり、法定休日の場合は135%、その他の休日の場合は125%の支払が発生します。
ただし、代休取得日は労働はしていない為、就業規則等の定めによりその日の賃金1日分を差し引くことは可能となります。(135%-100%もしくは125%-100%)結果として、割増分の(35%、25%)のみを支払えば問題ありません。
代休取得日が同一の賃金計算期間内に取得出来なかった場合は、「賃金全額払いの原則」により、割増部分の支払のみならず通常の労働日の賃金分も支払わなければならない為、注意が必要です。
④代休の取得期限
代休は労働基準法に定めがない為、取得期限にも特に決まりがなく、会社が定めることが可能です。ただ、取得期限を設けないことや代休取得期限を長く設定をしてしまうと代休取得が進まない可能性もある為、「休日出勤から1か月以内」などある程度の期限を設定することが望ましいです。
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