【Q&A】労働者に対する健康診断
※こちらの情報は2019年4月時点のものです
Q.相談内容
雇入れた常時雇用の労働者に対して雇入れ時、または定期健康診断を受診させる際、費用の負担や賃金はどうしたらよろしいですか?
A.回答
法律上明記はされておりませんが、健康診断に係る費用は原則として事業主が負担すべきで、受診する際の交通費および健康診断時間中の賃金については、事業主が負担することが望ましいと考えられております。
原則として事業主が健康診断に係る費用について負担すべきとされている理由は、事業主に法律上実施義務があるからです。また受診する際の交通費及び賃金について支払うことが望ましいとされている理由は、労働者の健康の確保は事業の運営にあたり必要な条件であること及び健康診断の円滑な受診を考えると、交通費や受診にかかった時間の賃金も事業主が支払うことが望ましいと考えられているからです。
ただし、雇入れ3カ月以内に医師による健康診断を受けた者を雇入れる場合に、その者が健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、事業主は、健康診断項目について、雇入れ時健康診断の実施義務は解除されるので、その費用を事業主が負担する必要はないと考えられます。また、定期健康診断の例外として、労働者自身のかかりつけの病院で受診し、その結果を証明する書面を事業主に提出した場合は会社指定の健康診断の受診に変えることが出来ますが、この場合の費用負担については会社のルールに委ねられます。
尚、上記は一般健康診断に当たりますが、一定の有害な業務に常時従事する者に対して行われる特殊健康診断については、移動時間も含めて労働時間となります。したがって、法定労働時間外に行われた場合は割増賃金の支払が必要となりますので注意が必要です。