パートタイム労働者の年次有給休暇について
※こちらの情報は2023年11月時点のものです
1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者のことを「パートタイム労働者」といいます。
例えば、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」など、呼び方は異なっても、この条件に当てはまる労働者であれば「パートタイム労働者」になります。
先日、事業主の方とお話ししている際に、「パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか?」とのご質問を受けました。答えは当然「YES」です。
通常の労働者に対する有給休暇については事業主の方々も深くご理解いただいておりますが、パートタイム労働者に対する有給休暇についての理解はまだまだ浸透していないと実感しました。
そこで今回は、パートタイム労働者の有給休暇についてご説明したいと思います。
1.年次有給休暇とは?
そもそも年次有給休暇とは、一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために、法定の休日の他に毎年一定の日数付与される休暇のことで、「有給」で休むことができる、すなわち取得しても賃金が減額されない休暇のことです。
年次有給休暇が付与される要件は2つあります。
- 雇い入れの日から6か月経過していること
- その期間の全労働日の8割以上出勤したこと
2.年次有給休暇の付与日数
通常の労働者の年次有給休暇の付与日数は次表の通りです。週所定労働日数が通常の労働者と同等のパートタイム労働者については、通常の労働者と同じ日数の年次有給休暇が付与されます。【表1参照】
※表が見切れている時は右にスクロールしてください。
しかし、次のいずれかに該当する所定労働日数の少ないパートタイム労働者には、その所定労働日数に比例した日数の年次有給休暇を与えることになっています。【表2参照】
- 1週間の所定労働日数が4日以下の労働者
- 週以外の期間によって所定労働日数が定められている労働者については、1年間の所定労働日数が216日以下の労働者
※ただし、上記①②に該当しても、1週間の所定労働時間が30時間以上の労働者については通常の労働者と同じ日数の年次有給休暇を与えなければなりません。
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3.年次有給休暇中の賃金
年次有給休暇を取得した日・期間については、就業規則等の定めにより、①平均賃金、②通常の賃金、③労使協定に基づく健康保険法上の標準報酬日額相当額のいずれかを支払う必要があります。
①は年次有給休暇取得の都度計算する必要があること、③は労使協定の締結が必要であることから、一般的には②通常の賃金で計算する方法を採用する事業所が多いように思います。当然、安い手当を選択するためにその都度計算方法を変えることはできません。
4.日によって所定労働時間が異なる時給制の労働者の通常の賃金は?
日によって所定労働時間が異なる労働者に上記3.の②通常の賃金で支払う場合には、有給休暇を取得する日の所定労働時間分の賃金額を支給することで差し支えありません。勤務予定表作成時に年休の予定を入れるような場合についても、その日の所定労働時間を設定しておく必要があります。
年次有給休暇を取得した日の所定労働時間が8時間であれば8時間分の賃金、4時間であれば4時間分の賃金が、その日に支払われるべき賃金額となります。同じ1日分の年次有給休暇取得であっても支払われるべき賃金額は変わります。
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