企業型DC(確定拠出年金)について
※こちらの情報は2023年12月時点のものです
確定拠出年金(DC)とは、加入者ごとに拠出された掛金を加入者自らが運用し、その運用結果に基づいて給付額が決定される年金制度です。
掛金額(=拠出額)が決められている(=Defined Contribution)ことから、確定拠出年金(DC)と呼ばれています。
それでは、企業型DCの特徴やポイントをご説明いたします。
企業が掛金を拠出してくれ、従業員が運用する制度。運用成績によって退職後に受け取る額が変わる
- 企業が掛金を毎月従業員の年金口座に積み立て(拠出)してくれる
- 従業員自らが年金資産の運用を行う
- 運用成績によって将来受け取れる退職金・年金が変動する
企業型DC(企業型確定拠出年金)とは、企業が掛金を毎月積み立て(拠出)し、従業員(加入者)が自ら年金資産の運用を行う制度です。
企業型DCは、従業員が自動的に加入する場合と、企業型DCに加入できるかどうかを選択できる場合(選択型企業DC)があります。
従業員は掛金をもとに、金融商品の選択や資産配分の決定など、さまざまな運用を行います。そして定年退職を迎える60歳以降に、積み立ててきた年金資産を一時金(退職金)、もしくは年金の形式で受け取ります。ただし、積み立てた年金資産は原則60歳まで引き出すことはできません。
掛金の額は会社での役職等に応じて決まるのが一般的です。ただし、制度上掛金の上限額は以下のとおり定められており、この上限額を超えて掛金を出すことは認められていません。
他の企業年金がある場合
月額2万7,500円
他の企業年金がない場合
月額5万5,000円
※他の企業年金とは、厚生年金基金、確定給付企業年金などです。
ここで重要なのは、「掛金は企業が負担してくれるが、運用の結果はあくまで従業員の自己責任である」ということです。運用成績によって将来受け取れる退職金・年金の額が変動します。
将来の老後資金を増やせるかどうかは、従業員の方の“運用手腕”にかかっているとも言えるわけです。
企業の掛金に、従業員が掛金を上乗せする「マッチング拠出」
- マッチング拠出の制度で、企業の掛金に、従業員が掛金を上乗せすることができる
- マッチング拠出を採用していない企業もある
「企業が拠出する掛金だけじゃ物足りない……。もっと掛金を増やして企業型DCで運用がしたい」という従業員の方もいるかもしれません。そんな方は「マッチング拠出」という制度を利用するとよいでしょう。
マッチング拠出というのは、企業型DCにおいて、企業が拠出する掛金に、従業員自身が掛金を上乗せするというものです。
ただ、マッチング拠出の掛金については上限があり、
- 従業員が拠出する掛金の金額が、企業が拠出する掛金の金額を超えないこと
- 企業が拠出する掛金と、従業員が拠出する掛金の合計額が、掛金の拠出限度額を超えないこと
という2つの要件を満たす金額となっています。
ただし、企業型DCは導入しているものの、マッチング拠出の制度を採用しない選択肢もあります。
企業型DCには3つの税制優遇措置がある
- 運用したときの運用益が非課税に
- 受け取るとき、退職所得控除、公的年金等控除の対象に
- マッチング拠出による掛金に対しては、全額所得控除に
企業型DCには3つの税制優遇措置があります。
1つ目は、企業型DCの運用で得た利益は全額非課税となることです。一般的な金融商品で運用するとその運用益に対しては約20%の税金がかかります。それが全額非課税となるわけです。
2つ目は、積み立ててきた年金資産は60歳以降、一時金か年金の形式かで受け取ることになりますが、どちらの形式でも税制優遇が受けられます。一時金であれば「退職所得控除」、年金であれば「公的年金等控除」が受けられ、税を軽減することができます。
3つ目は、マッチング拠出を利用した場合、従業員が拠出する分の掛金については、全額所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。
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