寡婦年金の要件変更について
国民年金法に規定される「寡婦年金」について要件が令和3年4月から変更されました。
【改正前】
死亡した夫が「障害基礎年金受給権者」の場合、65歳未満の妻に支給しない。
↓
【改正後】
死亡した夫が「障害基礎年金の支給を受けた」場合、65歳未満の妻に支給しない。
障害基礎年金を受ける権利を得た夫が、権利を得たその月に死亡した場合、65歳未満の生計を維持されていた妻に従来は支給されていませんでしたが、その要件を緩和して、老齢基礎年金同様、実際に支給されていなければ寡婦年金を支給する改正を行いました。
※寡婦年金とは、夫が亡くなり、残された高齢の妻の所得を保障しようとする制度です。
要件
- 婚姻期間10年以上
- 死亡した夫が、国民年金第1号被保険者として10年以上保険料を納付(免除期間含む)
- 65歳未満の生計を維持されていた妻がいる
支給する期間と金額
- 原則60歳に達した月の翌月から65歳に達した月まで支給される。
- 夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の×3/4が支給される。
例えば、20歳から60歳まで国民年金第1号被保険者の夫が死亡したときの、生計維持されていた妻に支給される寡婦年金額は(改定率は毎年度変更されるため、今年度の改定率1と仮定)
780,900円×1(改定率)×3/4=585,675円
となります。
ただし、次の事由に該当する場合、寡婦年金は支給されません。
- 死亡した夫が老齢基礎年金または障害基礎年金の支給を受けたとき。
- 残された妻が老齢基礎年金を繰り上げて受給している場合。
※国民年金第1号被保険者とは、第2号および第3号に該当しない者を言います。
国民年金第2号被保険者…正社員で勤務するサラリーマンなど
国民年金第3号被保険者…国民年金第2号被保険者(65歳以上で老齢基礎年金や厚生年金等を受けられる者を除く)の扶養に入っている者
【参考URL|日本年金機構】
■PDF(21ページ目)
https://www.nenkin.go.jp/service/riyoushabetsu/cooperator/shikuchouson/kakehashi/67.files/67.pdf
■寡婦年金について
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/1go-dokuji/20140422-02.html